
交通事故の際の加害者側の責任は、民事上の損害賠償にとどまりません。ここでは、主に自動車による交通事故を例として、刑事責任について説明します。
まずは、自動車運転過失致死傷罪です。これは、2007年に新しく作られた罪です。それまで自動車事故は業務上過失致死傷罪として罪に問われていました。しかし、飲酒運転による事故の増加などにより、業務上過失致死傷罪では刑罰が軽いといった世論を受けて、自動車運転過失致死傷罪が新設されました。最近では、自動車事故のほとんどが自動車運転過失致死傷罪として罰せられています。
次に、危険運転致死傷罪です。これも、自動車運転過失致死傷罪と同時に新設されました。背景には、飲酒運転による深刻な事故が発生したこと、および、飲酒運転に対して厳罰化を求める世論の後押しを受けたということがあります。
しかし、この危険運転致死傷罪の成立には多くの難しい要件をクリアする必要があり、新設されたばかりということも合わせて、まだ十分に運用されているとはいえません。
自動車運転過失致死傷罪は、刑罰として懲役刑から罰金刑まで幅広くあるため、交通事故の程度に応じて刑罰の幅も広いです。自動車事故のほとんどを本罪で処罰することが目的ですから、刑罰が幅広いことも理由があります。一方で、危険運転致死傷罪は、刑罰として懲役刑しかありません。これもやはり、危険運転という行為の悪質さから刑罰も重くしているといえるでしょう。
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