
ニュースを見ていると、高速道路での事故で次のようなものを耳にすることがあります。車(A車とします)が高速道路の出口を誤ってしまってためバックして本線に戻ろうとしたところ、出口に入ろうとしてきた車(B車とします)がそれに気づいてあわててハンドルを切ったところ、隣の車線を走っていた車(C車とします)に衝突したという事故です。
この場合、Cは誰に損害賠償を請求すればいいでしょうか。BとしてはAのせいだと言いたいでしょうし、AとしてはBがぶつかったのだからBのせいだと言いたいでしょう。
この場合、共同不法行為として、CはAにもBにも損害賠償を請求することができる可能性があります。共同不法行為とは、故意・過失による権利侵害があり、損害も生じているけれども、因果関係が不明の場合に、不法行為責任を負わせることのできる制度です。
上の事例であれば、AがバックしてきたこととCの事故との間には直接の因果関係がないものの、Bと併せてみることで、Cへの損害はAとBの行為が合わさって生じたものであるということができます。
共同不法行為は、主に公害事件で利用された制度です。つまり、多くの工場が有毒な廃液を流した結果として周辺住民が病気になったような場合に、どの工場の廃液が病気の原因であるか分からないとしても工場に損害賠償が請求できるということです。被害者側が不法行為による損害賠償を請求する場合に因果関係の証明が必要なところ、共同不法行為はその証明の負担を軽減しているということできます。
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