
過失相殺は、加害者と被害者の間の過失の割合に応じて、公平を図るために損害賠償を減額する制度であることは説明しました。ここでは、被害者に過失がない場合であっても、被害者「側」に過失があれば過失相殺が許される場合があるとして、被害者側の過失について説明します。
まず、なぜ被害者側の過失などという考え方をする必要があるのかから説明します。過失相殺は、加害者と被害者の双方に過失がある場合にしかすることができません。
そうすると、被害者に過失がないとして過失相殺を否定してしまうと、加害者に思わぬ損害を負わせる可能性があり、過失相殺の背後にある公平の原理に反することになってしまいます。そこで、被害者側というグループでみて、その中の誰かに過失があれば過失相殺ができることにしたのです。つまり、より加害者と被害者の公平を追求した結果であるということができます。
では、「被害者側」というのは、どの範囲までをいうのでしょうか。簡単にいうと、被害者と財布を同じくする関係にある場合です。例えば、交通事故で幼児が被害者である場合、監督者である両親が財布を同じくするとして被害者側に含まれます。
被害者が幼児の場合には過失相殺ができるかどうかが微妙であるところ、その両親が監督を怠った結果幼児が事故にあったとすれば、加害者としては過失相殺をしてもらわないと不公平であると感じるでしょう。そこで、両親の監督義務違反が過失に当たるとして過失相殺が認められることになるということです。
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