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いきなり例題をあげます。自動車事故によって被害車両の運転者は大けがを、運転者と同乗していた子どもが亡くなってしまいました。子どもを失ったことで、子どもの母親はうつ病になり自殺してしまいました。

この場合に、加害者はどこまでを損害として賠償する責任があるでしょうか。これが損害額の範囲の確定という問題です。 感覚としては、加害者のせいで母親が自殺したのだから、そこまでを損害として賠償すべきだという意見があると思います。

しかし、あまりに損害の範囲を広げすぎてしまうと、加害者の賠償額が膨大なものとなってしまい結果として賠償できないおそれもあります。ですから、損害の範囲を合理的なものにする必要があります。

そこで、自動車事故であれば、どこまでの損害が自動車事故によって生じると考えるのが相当かというのを基準として損害額の範囲を決定しています。さらに、加害者の予見可能性があれば損害の範囲を広げるとしています。つまり、自動車事故であればけがや生命侵害まで生じるということは損害の範囲として相当と考えられ、加害者が自殺することまで予見できたとすれば、そこまでが損害に含まれる可能性があるということです。

判例の中には、被害者が自殺することまでが相当の範囲に含まれるとして損害とし、ただし自殺の原因がうつ病であるとして素因による過失相殺を認めたものがあります。ここまでくると専門的すぎて理解が困難だと思われますが、ここでのポイントは何でも損害としてカウントすることはできないということです。

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